児童福祉施設の中堅職員を対象に、世界の児童福祉を学ぶ海外研修を行なっています。第1回研修(1972年度)以来、20ヵ国で研修を行い、730名あまりが研修に参加しました。研修修了者は、日本の児童福祉を牽引する存在として活躍しています。
日本の児童福祉施設で働く中堅職員が、現地に赴き、グローバルな視点や新しい気づきを得ることを目的に実施しています。
世界各国の児童福祉の状況、特に児童保護や社会的養護のシステムと支援のあり方、児童福祉研究の最新の知識を学ぶ機会を提供します。
本研修は「子どもを育む人を育む」ことの重要性を鑑み、日本に世界の児童福祉の情報や知識があまり多く存在しない1970年代から、独自の取り組みとして継続的に実施されています。特に、研修修了後も継続的に参加者同士が交流するなど、実務に活きる繋がりや学びが得られることが大きな特徴です。
総参加者数
730人
研修実施国
20カ国
研修実施回数
48回
5〜8月
募集・選考
研修参加希望者は、募集対象となる児童福祉施設の各協議会事務局を通じて応募。資生堂子ども財団が有識者と選考を実施した後、理事会にて団員が決定。
9〜12月
研修実施
研修は「事前研修」と「渡航・リモート研修」、「事後研修」という3段階で実施。現地での学びを最大化するため、事前から事後まで研修団全員で協⼒して実施。
12〜翌3月
報告書の制作
研修の学びを体系的に整理し、知識として蓄積していくために報告書を制作。研修団が⼀から制作に携わる。
その後1年間
報告会の実施
広く研修成果を共有するため、こども家庭庁や各種協議会等の関係機関に報告を⾏う。各団員が発表する機会を得て、成果の発信を行う。
第48回団長・第30回参加者 河尻 恵 様
(児童自立支援施設 国立武蔵野学院 院長 ※インタビュー当時 )
海外研修で得た知識や経験は、現在の仕事に生かされていると感じています。世界の児童福祉の状況を知識としてだけで得ただけでなく、参加した団員がそれぞれ違う職業や立場からの見方で議論ができたことも勉強になりました。
2024年度の募集は締め切りました。
第49回(2024年度)海外研修では、アメリカ合衆国を訪問します。研修の詳細については、研修要綱をご覧ください。
11月2日(土) | 集合 |
---|---|
11月3日(日) | 出発・現地到着 |
11月4日(月)~8日(金) | ニューヨーク研修 |
11月9日(土) | 現地発 |
11月10日(日) | 帰国・解散 |
募集内容の詳細は、実施要綱をご確認ください。
下記児童福祉施設協議会会員施設の中堅職員であれば、応募可能です。
応募対象としていない協議会がありますことをご承知おきください。
応募対象協議会
全国児童養護施設協議会、全国母子生活支援施設協議会、全国乳児福祉協議会、全国児童自立支援施設協議会、全国児童心理治療施設協議会、全国児童家庭支援センター協議会
応募のための提出書類を所属する施設の協議会事務局へご提出ください。書類提出の⽅法や〆切については各協議会事務局へお問合せください。
研修報告書の膨大な情報からエッセンスを抽出して、研修の内容をご紹介しています。各研修の概要や視察先を知りたい、参加者のコラムを読みたい方はダイジェストをご覧ください。
研修修了後、参加者は、研修の後援団体であるこども家庭庁(2021年度までは厚生労働省)での報告をはじめとして、各児童福祉施設の協議会が主催する大会や研修会、学会などにおいて研修報告を行い、学びの成果を積極的に発信します。ここでは当研修の後援団体であるこども家庭庁への報告の様子をご覧いただけます。
第47回(2022年度)海外研修 <こども家庭庁報告>
6月1日(木)、2022年11月に実施したオーストラリア研修報告会を㈱資生堂汐留オフィスにて実施しました。
オーストラリアの児童福祉の理念である「家族や親族、地域の資源をベースにした家族支援」をテーマに研修で学んできたことを報告しました。報告では、冒頭、オーストラリアが多文化主義を掲げる移民国家であることを統計を交えながら紹介するとともに、植民地時代の先住民に対する隔離政策やイギリスからの児童移民の問題なども含めた児童福祉政策の変遷を説明し、現在のオーストラリアの制度・政策・施策への理解を促しました。視察先については、児童保護と社会的養護制度、ケアワークの質の保証、地域支援、子どもの権利擁護、先住民との対話、特別講話にカテゴリーに分けて丁寧に報告しました。最後に、研修を通して大切だと思ったこととして「多様性」「権利教育」「早期からの子育てサポート」の3つの視点を取り上げ、これらへの今後の方向性への手がかりを提示し、研修のまとめとしました。
第46回(2021年度)海外研修<厚生労働省報告>
2022年8月26日(金)、㈱資生堂汐留オフィスにて、2022年1~2月に日本と現地とオンラインで結んで実施したフランス研修の報告を行いました。
報告では、フランスにおける児童福祉と児童保護の制度と、視察先や専門家による講義の概要とポイントを報告しました。そしてその報告を踏まえて、日本における「要保護児童」の概念、通告受付システムのあり方、職種やキャリアに応じた職員の研修システムなどについての考察、及び子どもとかかわる立場として自分たちができることを述べ、研修のまとめとしました。
海外研修の成果は、研修参加者によって、報告書としてまとめられます。報告書の内容は、研修国の児童福祉の歴史や理念から、現在の制度・政策、施策、具体的支援の展開、研修国と日本の児童福祉の比較分析や考察まで、幅広く網羅されています。
(写真右)第1回海外研修報告書 表紙
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