2024.12.18
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2024年度スターターズセミナー2回目を開催しました【社会的養護のもとで暮らす高校3年生に向けた自立支援】
公益財団法人 資生堂子ども財団は、社会的養護のもとで暮らす、愛知県、岐阜県、滋賀県、茨城県の高校3年生を対象に、社会人としての自立に向けた準備をサポートする「スターターズセミナー」を毎年2回にわたり開催しています。
2024年度スターターズセミナー2回目は下記日程・内容で行いました。
(1回目の報告はこちら)
<実施講座>
<参加者内訳>
地域 | 時期 | 参加人数 |
愛知県 | 9月28日(土) | 児童67名 職員31名 計98名 |
岐阜県・滋賀県 | 9月29日(日) | 児童44名 職員30名 計74名 |
茨城県 | 10月19日(土) | 児童28名 職員20名 計48名 |
<講座提供> 株式会社リクルート
参加児童の多くは半年後に、施設や里親のもとを離れて一人暮らしをすることになります。初めての一人暮らしに不安を持つ児童も少なくありません。
本講座では、不動産会社やネットを活用した部屋の探し方、一人暮らしの部屋を選ぶときに気を付けること、敷金や礼金など部屋を借りるときの初期費用など住まい探しに関する基礎を学びました。また、半年後に一人暮らしをすることを想定し、自分にとって優先順位の高い部屋の条件や防犯対策などを考えながら、実際に施設職員や里親と一緒に「SUUMO」のスマートフォンサイトを使ってお部屋探しを体験しました。
<参加児童の声>
来年から自立をし、一人で暮らしていく事に対して責任を持って家を選んで、後悔のないようにしたいと思いました。
<参加職員の声>
家探しのノウハウや法律など後々に起こりうるトラブルを予習できる良い機会だと感じました。
<講座提供> 特定非営利活動法人 NPO STARS
社会的養護のもとから自立した後に困ることとして、「性」に関する悩みは常に上位に挙がります。
本講座は「妊娠と避妊・性感染症」、「デートDV(私とあなた)」、「性的同意って??」、「素敵な関係「愛」とは」という4つのテーマに沿って進められました。参加児童は妊娠のメカニズム、避妊、性感染症など学校ではあまり学ばない知識を得ることができました。そのほか、「恋愛のステップを考える」などのワークを行い、自分と異なる他者の考えに触れる練習をすることで、「人」それぞれ「ちがい」があること、人との関係を大切にしたいのであれば「NO」を言うことが必要なこともあることについて学びました。
<参加児童の声>
それぞれ性についての考え方が違うけど、自分が嫌なことはしっかり「NO」と言えることが大切だと分かりました。
<参加職員の声>
聞く人によっては重い内容だったかもしれませんが、自分を大切にすること、自分を守るのは最終的には自分だということを子どもと一緒の場で聞けたことはとても良かったです。
<講座提供> 株式会社AOKI
参加児童は、株式会AOKIから贈られたスーツを着用し、実践も交えながら、社会人として相応しいスーツの着こなし方の基本やサイジングのポイントを学びました。靴、ベルト、バッグ、ソックスの選び方、コートに関するマナー、「正しい礼装」に関するマナーなどについても丁寧な説明がありました。
本講座を通じて「身だしなみ」は自分ではなく相手のために行うことであることをしっかりと理解することができました。
<参加児童の声>
スーツの丈やブラウスの袖の長さにこだわることで印象をよくして、清潔感を持たせることができる事が分かりました。
<参加職員の声>
職員も知らなかった礼儀、マナーを知ることができ、今後の子どもたちに伝えていく上でも役立つ事ばかりでした。職員自身のマナーも気をつけていきたいと思いました。
<講座提供> 資生堂ジャパン株式会社
本講座では社会人の「身だしなみ」の基本として、実際にスキンケアやメイクアップ、ヘアスタイリングやボディケアの実習を行いました。実習を通じて、プライベートで楽しむ「おしゃれ」と仕事の場で使う「身だしなみ」の違いを学びました。児童は慣れない手つきで化粧品を使いながらも、講座が進むにつれ変わっていく自分自身の姿を鏡で見て、満足そうな表情を見せていました。
<参加児童の声>
普段するメイクとは違ったメイクをやって遊びの時と社会に出て仕事をする時でわかるようにしようと思いました。雰囲気もとても良くて楽しかったです。
<参加職員の声>
化粧について教えることがないなかなか無いため、専門の方に正しい知識を教えていただくことができて子どもたちの良い経験・学びになったと思います。
<講座提供> 特定非営利活動法人NPO STARS
セミナーの引率職員に向け、性教育講座も提供しています。参加した職員の方々は施設での日々の暮らしにおいて「性」について児童に適切な対応をするためにはまず、施設が組織で「トラウマインフォームドケア」に取り組むことが必要であることを学びました。
<参加職員の声>
性教育だけでなく、施設のあり方や子ども達への関わり方についても改めて考えさせられるお話でした。普段接する中で、子どもの何気ない言動にも注視し支援に繋げていきたいと思いました。
資生堂子ども財団は、2013年以降、スターターズセミナーを毎年開催し、さまざまな協力企業・団体と協働して、社会的養護のもとで暮らす児童および施設職員・里親のみなさまが自立に役立つ知識を身に付けることへの支援を行っています。今後もより多くの児童に充実した講座を届けられるよう、開催地域の拡大や他団体との連携の強化を進めていきます。
スターターズセミナー1回目の様子は、こちらからご覧いただけます♪
★スターターズセミナーの概要についてご覧になりたい方はこちらから
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