第49回
【2024年度】アメリカ合衆国・ニューヨーク州研修
アメリカ合衆国は、虐待を受けた子どもの保護施策に力を入れてきましたが、近年は予防施策が重視されています 。特に2018年の家族ファースト予防サービス法(Family First Prevention Services Act)の施行以来、連邦政府から予防サービス提供のための資金が提供されるようになり、児童虐待や親子分離のリスクがある家庭に対するサービスの拡充が一層進みました 。
第49回研修では、ニューヨーク州を訪れ、児童虐待の予防的な観点から、児童保護と児童家庭福祉の制度政策と支援の現状と課題、調査研究からの最新の知見を学び、日本の児童虐待の予防と対応において施設が果たすべき役割、担うべき機能、高めるべき専門性を議論しました 。
参加者は、研修団長1名(施設関係者)、特別講師1名(大学教授)、および実務に携わる団員8名の計10名でした。団員の内訳は、児童養護施設から4名、児童自立支援施設から1名、児童心理治療施設から2名、児童家庭支援センターから1名でした 。渡航研修8日間と、帰国後のリモート研修1回を実施しました。
メンターによる12年以上にわたる子どもと家族への支援
フレンズオブザチルドレン(Friends of the Children)は、逆境的な体験をしていたり、複雑な課題を抱えている4〜6歳の子どもに対し、専門のメンター「フレンド」が、「12年間以上、どんなことがあっても(NO MATTER WHAT)」寄り添い続けることで、虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切ることを目標とした活動を行っています。支援は、学習支援、興味関心の開拓、感情コントロールの指導など多面的に行われます。また保護者とも関係を築き、子育ての助言や生活資源への橋渡しを行う「2世代(2-Gen)アプローチ」によって、家族全体のウェルビーイングの向上を目指しています 。
ニューヨーク支部は、2001年に青少年の犯罪予防の観点から活動を開始しました。支援対象の約80%が母子家庭、約70%がアフリカ系アメリカ人であり、地域の実情に合わせた支援が求められています。活動の成果として、ニューヨーク支部における高校卒業・GED(高卒認定)取得率は91%、進学・就職率は100%という高い水準に達しています。このプログラムは、1ドルの投資が7ドル以上の社会的コスト削減につながると評価されており、高い費用対効果を明示することで、社会的な信頼と支援の拡充を実現していました 。
フレンズオブザチルドレンの活動は「エビデンスに基づいたプログラム」と「人間同士の深い信頼(Trust)」を両立させています。科学的な指標を用いて費用対効果を明示することで、多額の寄付金や行政の信頼を獲得し、12年という長期支援を可能にしていました。研修団は、特定の大人との一貫した愛着関係を維持する重要性や、支援者の専門性を担保するための継続的なトレーニング、そして燃え尽きを防ぐための職員への手厚いメンタルケアの必要性を再認識しました 。
記事作成日:2026年4月
| 訪問州 | 視察先/講師 | |
|---|---|---|
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二ューヨーク州 |
ニューヨーク州児童家庭サービス室 |
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ニューヨーク市児童サービス課 |
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ニューヨーク市青少年コミュニティー開発局 |
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ニューヨークファウンドリング |
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チルドレンズビレッジ ドフスフェリー・キャンパス |
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フレンズオブザチルドレン -ニューヨーク |
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マウントサイナイ・クラビス小児病院 |
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チャイルドマインド研究所 / ヘルシーブレインネットワーク |
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ニューヨーク市立大学 大学院センター 先端科学研究センター |
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ニューヨーク市立大学クイーンズ校 心理学科教授 野村容子博士 講義 |
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ザ・ニューヨーク・ヒストリカル・ソサイエティ |
※報告書に記された名称(日本語)や表現に準じて記載
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