Activity Report 2024

Activity Report 2024

2024年度
年間活動報告 特設サイト

HIGHLIGHT

今年のハイライト

  • 資生堂福岡久留米工場で

    「みらいファクトリー」を初開催!

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  • 奨学生10名が

    「年間活動報告会」に参加

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  • 社会的養護に携わる方のための
    Webマガジン

    「世界の子ども福祉~実践と未来~」を
    創刊!

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  • 研修団10名がニューヨーク州に渡航し

    「資生堂児童福祉海外研修」を実施

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2024年度も
ありがとうございました

無事に1年間の活動を終えることができました。ご支援、ご助力いただきましたみなさまに、深く感謝申し上げます。私たちの2024年度の歩みをお届けしますので、是非ご覧ください。

VISION目指す未来の姿

すべての子どもが笑顔にあふれ、
自分らしく輝く社会へ

MISSION私たちの使命

志を共にする仲間とつながり、
子どもたちの生きる力を支援する

資生堂子ども財団は、3の柱で
独自の活動を推進しています

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    子どもへの
    支援

    社会的養護のもとで暮らす子どもたちが、自分らしく将来に向けて歩むことができるよう、自立支援や高等教育進学支援を通じて、彼らの未来を後押しします。

    • 自立支援セミナー
    • 資生堂子ども財団奨学金
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    子どもを育む
    職員への支援

    社会的養護のもとで暮らす子どもたちの育ちを支える施設職員や里親など、児童福祉に携わる方々に専門性を高めるための研修機会の提供や活動への助成を行います。

    • 資生堂児童福祉海外研修
    • Webマガジン「世界の子ども福祉~実践と未来~」
    • 海外研修修了者が実施する研修等への助成
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    広く一般に向けた
    情報発信・共有

    すべての子どもの健やかな成長のため、地域の子育て家庭をサポートする活動や児童虐待防止の啓発活動に助成を行います。

    • 子育てセミナー・児童虐待防止啓発イベントへの助成

目次

私たちが支援する
子どもたち

親と離れて暮らす子どもたちは、
日本に約42,000人おり、
社会的に養護されています。

社会的養護は「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を理念として行われています。現在「親の虐待」や「親の精神疾患」、「経済的理由」などにより、社会的養護を必要とする子どものうち、約8割は乳児院や児童養護施設などの施設養護、約2割は里親などの家庭養護のもとで暮らしています。

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子どもへの支援

社会的養護のもとで暮らす子どもたちが、自分らしく将来に向けて歩むことができるよう、自立支援や高等教育進学支援を通じて、彼らの未来を後押しします。

社会に巣立つための知識を学ぶ

自立支援セミナー

セミナー参加者総数424

社会的養護のもとで暮らす子どもの多くは、高校卒業とともに施設や里親のもとを離れ、経済的にも精神的にも自立して一人で生活することになります。彼らは就職や進学など新しい環境の中で、自ら生計を立てていかなければなりません。自立支援セミナーはさまざまな企業と連携し、彼らが施設や里親を巣立つ前に、以下の3つの活動を通じて、社会的知識を身につけたり、将来について考える機会を提供します。

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子どもたちの声

スーツの提供や社会でのマナーなどを習得する機会を同時に受け取ることが出来たのはとてもありがたいイベントでした。同じ境遇の高校3年生の子がこんなにいると思うと、自分も頑張ろうと思えました。(「社会への巣立ちフェスティバル」参加者の声)

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工場見学では原材料から製品ができるまでの工程をモニターやガイドさんから学び、化粧品の製造や販売に関わるさまざまなお仕事についても知ることができました。(「みらいファクトリー」参加者の声)

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学びのチャンスを広げる

資生堂子ども財団奨学金

在籍奨学生数17

大学や短大、専門学校等への進学率は、児童養護施設で暮らす子どもたちの場合38.9%、里親のもとで暮らす子どもたちは58.0%です。全高卒者の77.2%と比べ、進学率が低いことがわかります。
※こども家庭庁資料集「社会的養育の推進に向けて(令和6年6月)」より
しかし、近年は、進学にチャレンジする子どもたちが少しずつ増えています。奨学金給付に加え、物資支援や仲間同士の交流機会の創出などを通じて、学生生活をサポートしています。

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※写真はイメージです

子どもたちの声

一人暮らしが始まってから大変なことが続いていましたが、徐々にできることが増えていきました!(2024年度入学奨学生の声)

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相談できる仲間と資生堂の皆様がいることを再確認でき、ひとりじゃないと安心できました。(交流会に参加した奨学生の声)

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子どもを育む職員への支援

社会的養護のもとで暮らす子どもたちの育ちを支える施設職員や里親など、児童福祉に携わる方々に専門性を高めるための研修機会の提供や活動への助成を行います。

世界から学ぶ、児童福祉の未来

資生堂児童福祉海外研修

海外の児童福祉情報や知識が少なかった1970年代に開始し、児童福祉施設の中堅職員に対して、世界各国の児童福祉の状況を学ぶ機会を提供しています。「事前研修」と「渡航・リモート研修」、「事後研修」の3段階で研修を実施した後、報告書を制作し、こども家庭庁を始め関係機関への報告を行います。

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参加者の声

児童福祉における「予防」という概念を広く、深く捉えて実践する支援機関の専門性と熱意ある姿勢に、胸を打たれる学びの数々でした。(第49回研修参加者 樋口猶信さんより)

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ニュージーランドの文化も含め児童福祉に関する学びの報告があり、参考になりました。日本の文化とは異なる部分が多いため、そのまま取り入れるというのは難しいと思うが、そもそもの考え方について、「そう考えるんだ」と気付くことができました。(第48回 海外研修フォローアップセミナー参加者の声)

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世界の児童福祉をもっと身近に

Webマガジン「世界の子ども福祉~実践と未来~」

2022年に休刊となった情報誌「世界の児童と母性」の後継企画として、2024年11月5日(火)に、Webマガジン「世界の子ども福祉~実践と未来~」を創刊しました。社会的養護のもとで暮らす子どもの育ちに携わる方々を中心に、広く有益な情報をお届けするコンテンツです。
創刊号は「アドボカシーと子どもの権利」をテーマとし、6つの寄稿をウェブサイト上で公開しています。
Webマガジン「世界の子ども福祉~実践と未来~」はこちらから

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1. カナダの子どもアドボカシーはここまできている 菊池 幸工氏
第41回 (2015年度) カナダ研修コーディネーター・NPO法人全国子どもアドボカシー協議会アドバイザー
2. カナダでの学びを踏まえた日本における取組み―児童福祉施設におけるフォーマルアドボカシー 中村 有生氏
第41回 (2015年度) カナダ研修団員・兵庫県立清水が丘学園 (児童心理治療施設) 心理治療士
3. オーストラリアにおける政府~現場におけるさまざまなレベルのアドボカシー 杉山 亜佳音氏
第47回 (2022年度) オーストラリア研修団員・サンライズ万世 (母子生活支援施設) 心理療法担当職員
4. ニュージーランドに学ぶ、声を変革につなげるアドボカシー 作田 惇人氏
第48回 (2023年度) ニュージーランド研修団員・岡山聖園子供の家 (児童養護施設) 児童指導員
5. 声をあげることが、クレームにならない社会へ―ベルギー視察を通して 大塚 斉氏
第45回 (2019年度) ポーランド・ベルギー研修団員・埼玉県立大学 社会福祉子ども学科 教授
6. 子どもの権利をめぐる日本の動き 川﨑 二三彦氏
子どもの虹情報研修センター センター長

読者の声

アドボカシーという現場に馴染みのない概念が新しく入ってきており、どのようによりよい支援に向けて具体化していくか悩んでいるところなので、海外での取組みやその成果、またそれを学んだ執筆者が日本でどのようなことを思い考えているかを知ることができ、とても学びになりました。

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仕事柄、子どもに関する情報は積極的に学びにいかないと情報が入らないので、最新の情報を発信いただけるサイトがあるのは、有難いです。

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社会的養護に携わる方の活動を応援

研修等への助成

児童福祉施設職員や里親など、児童福祉に携わる方を対象に開催されている研修・表彰などに助成を行っています。
2024年度は、7つの研修・表彰が対象となりました。

海外研修修了者が実施する研修等への助成

名称 助成先 開催時期 参加対象
2024年度日本子ども虐待防止学会における海外研修での学びに関するポスター発表 第47回(オーストラリア)研修団員 古屋理恵氏 11月~12月 当該学会参加者
2024年度日本子ども虐待防止学会における海外研修での学びに関するポスター発表 第48回(ニュージーランド)研修団員 西村岳人氏 11月~12月 当該学会参加者
鹿深の家セミナー 第38回(ドイツ・イギリス)研修団員 春田真樹氏 7月 社会的養護に関わる職員を中心に、各関係機関の職員など

子どもたちを育む人の学ぶ機会を創る活動への助成

名称 助成先 開催時期 参加対象
全国児童家庭支援センター協議会実務者研修 全国児童家庭支援センター協議会 7月 児童家庭支援センター職員、児童家庭支援センターの本体施設の職員など
全国子ども家庭養育支援地域ネットワークセミナー 全国子ども家庭養育支援研究会 9月 里親、ファミリーホーム養育者、児童相談所職員、児童家庭支援センター・里親支援センター・フォスタリング機関職員など
家庭養育機能支援子育てワークショップ 日本キリスト教児童福祉連盟研修会 9月 児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設、保育所などの施設職員

里親家庭を支援する組織・団体への助成

名称 助成先 開催時期 参加対象
全国里親功労表彰 公益財団法人全国里親会 10月 全国の里親・里子、ファミリーホーム関係者 など
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広く一般に向けた情報発信・共有

すべての子どもの健やかな成長のため、地域の子育て家庭をサポートする活動や児童虐待防止の啓発活動に助成を行います。

地域の子育て支援活動をサポート

子育てセミナー・児童虐待防止啓発イベントへの助成

核家族化や地域交流の希薄化が進む中、地域の子育て家庭をサポートする施設・団体の活動を支援するために、児童家庭支援センターやその他団体が主催する子育てセミナーや児童虐待防止啓発イベント(オレンジリボンキャンペーン)に助成しています。
2024年度は、16の施設・団体が開催したセミナーやイベント計22件に助成しました。

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新潟の様子

助成先 都道府県 テーマ・内容
児童家庭支援センターこねくと 秋田県 親子フットサル大会
ポーセラーツ~親子で自分だけの器づくり~
社会福祉法人青葉学園 児童家庭支援センターあおば 福島県 「どきどき、、保育園スタート」~入園前に知っ得~
にいがた元気プロジェクト 新潟県 オレンジリボンたすきリレー
まぎぬ児童家庭支援センター 神奈川県 月1回程度さまざまなイベントを実施
あいせん児童家庭支援センター 神奈川県 「ハーバリウム講座」
「親子ヨガ教室」
子ども虐待防止オレンジリボンたすきリレー実行委員会 神奈川県 オレンジリボンたすきリレー
子ども家庭支援センターぎふ「はこぶね」 岐阜県 オレンジリボンたすきリレー
児童家庭支援センターあすか 奈良県 地域におけるオレンジリボン啓発活動
児童家庭支援センター米子みその 鳥取県 映画『ママをやめてもいいですか!?』上映会
児童家庭支援センタークムレ 岡山県 地域イベントにおけるオレンジリボン啓発活動
美作圏域児童家庭支援センターつむぎ 岡山県 「2024 みんなでつむぐ リボンフェスタ」
児童家庭支援センターこぶし 広島県 ヒーローショーと、自身の被虐体験を含む講演
児童家庭支援センター高知ふれんど 高知県 「親子でふれあうベビーヨガセラピー&足形アートづくり」年9回開催
児童家庭支援センター高知みその 高知県 「パパ・ママ・ベビーヨーガ」
児童家庭支援センターAlba 福岡県 「子育てひろば ふわふわ」
児童家庭支援センターオリーブの木 熊本県 絵画療法を用いたワークショップ
セミナー「今後の地域支援について」

興味を持つことが、子どもを支える一歩に

資生堂社員に向けた企画

参加者総数128

社会的養護のもとで暮らす子どもたちの現状を伝えるため、資生堂社員に向けて、2つ企画を実施しています。

今年度の協働・ご支援

2024年度も、多くの法人・個人の皆さまからの温かいご支援により、私たちの活動はさらなる進化を遂げることができました。中学生を対象としたキャリア支援プログラム「みらいファクトリー」を新たに立ち上げ、自立支援セミナーのプログラムを充実させ、奨学生への物資支援も強化しました。これらの取り組みは、皆さまのご支援があってこそ実現できたものです。心より感謝申し上げます。

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協働によって実現した取り組み

そのほかにもたくさんの
ご支援をいただきました

資生堂子ども財団のホームページや株式会社資生堂の株主優待、
資生堂カメリアファンド(資生堂社員および退職した社員の寄附金)から、
2024年度は総額6,177,094円のご寄附をいただきました。
深く感謝申し上げます。

2025年度に向けて

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公益財団法人
資生堂子ども財団

理事長塩島 義浩

日頃より、資生堂子ども財団の活動にご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
資生堂子ども財団は、「子どもへの支援」、そして“大人がつながれば、子どもの未来を支えられる”との考えのもと「子どもを育む職員への支援」、「広く一般にむけた情報発信・共有」の3つの柱で活動をしています。
2024年度も私たちの活動に賛同くださった多くの法人・個人の皆さまとともに、子どもたちや、その子どもたちを支える職員の方々への学びの機会の提供や、全国の施設の様々な活動へのサポートを実施することができました。
“自身の置かれた環境によって将来の選択肢を制限されることなく、夢と希望を持って自分らしい人生を歩むことができる社会を実現したい” 私たちにはこのような想いがあります。
これからも子どもたちの幸せと未来に思いを馳せ、志を同じくする皆さまとともに、質と量の両面でより充実した活動を展開していく所存です。
今後ともご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

2025年6月