第7回

1978年度
ヨーロッパ研修

子どもの国職員8名と園長1名、児童館職員12名、大学教授1名、助教授1名の23名が、16日間をかけて、ヨーロッパ6ヵ国で、児童の健全育成に関する民間施設活動をテーマに、それまで日本ではあまり知られていなかった冒険遊び場やフリータイムセンターのほか、幼稚園など22ヵ所の視察を行いました。

児童の健全育成に関する民間施設活動

日本では、社会の都市化や生活環境の変化により、家のなかでテレビを見たり漫画を読んだりすることが増え、運動機能や体力の相対的な低下が指摘されていました。研修は、子どもの身体的発達、社会性、道徳の観念、知的側面を育み、人間形成のうえで遊びが重要な役割を果たすことを認識し、子どもの健全育成のための子どもの遊びとその場所についてを再考する良い機会になりました。また、大人が子どもの心を失い、危険から遠ざけて安全な遊びに閉じ込めがちであるという反省を得ました。

子どもは、自分の周囲を絶えず探索し、いろいろなことを試そうとする探検家ですが、ヨーロッパの「冒険遊び場」は、そんな子どもの欲求を満たすための環境づくりがなされていました。まず、子どもに自由で、実験的な遊びをしてもらうために多様性を重んじ、遊び方を一つに限定していませんでした。どこの遊び場も、屋外の遊び場だけでなく屋内プレイルーム、アクセスしやすい遊びの素材置き場、大人もいっしょにイベントができる共有の広場、菜園や花壇、舗装された広場と荒地などがありました。100~150人規模の遊び場には、スタッフ4~5人、助手2~3人、実習生1~2人がおり、リーダーはじめスタッフは大学で子どもの遊びに関する訓練を受けていました。問題点として、子どもが遊び場に来るのは授業のない平日午後や休日であるのに対して、スタッフは平日の日中勤務を望んでいることが挙げられていました。
(写真は、団地住民の要望で設立されたホイケアフリータイムセンター(デンマーク))。

訪問国 訪問地 視察先
デンマーク コペンハーゲン Tivoriチボリ(遊園地)
Aktivlegeplasen Tinbjerg(冒険遊び場)
Fritidscenter Tinbjerg(フリータイムセンター)
Fritidsklubben Virkefeltet(フリータイムクラブ)
Hojkar Fritidscenter(フリータイムセンター)
スウェーデン ストックホルム Lekmiljoradet(全国児童遊び場協会)
Johannes Fritidsheim(フリータイムセンター)
Daghemmet(市立保育園)
スポンガ Spanga Lekplads(遊び場)
Akalla Lekplads(遊び場)
スイス チューリッヒ Freizeitanlage Heuried(フリータイムセンター)
Freizeitanlage Bachwiesen(フリータイムセンター)
Freizeitanlage Riesbach(フリータイムセンター)
Freizeitanlage Wipkingen(フリータイムセンター)
オーストリア ウィーン Stadt Des Kindes(子どもの町)
Sonderkinder Tagesheim Auer-Weisbach
(養護幼稚園)
Sparefroh Spielplatz Donau Park(遊び場)
Jugendzentrum Der Stadt Wien ”Floriddorf”
(市青少年センター)
ハンガリー ブダペスト A'Llami Napkozis O'voda Disz Teri(市立幼稚園)
オランダ デンハーグ Madurodam(遊園地)
ユトレヒト Bouwspeeltuin Watertoren(冒険遊び場)
Bouwspeeltuin Hoogravein-Zuid(冒険遊び場)

※おおよそ訪問国順に、報告書に記された名称・表現で記載