第1回

1972年度
ヨーロッパ研修

第1回目の研修は、パイロットケースともいえるもので、児童館館長、養護施設、保育所の職員4名が約1ヵ月かけて、欧州8ヵ国の福祉機関や施設20ヵ所あまりを視察しました。

海外福祉事情視察

報告書によれば、研修団は、訪問した施設の手厚い職員体制と待遇の良さ、実践を重んじ実習時間をたっぷりととった人材養成、整備された施設設備に驚き、そして、例えば、22歳の青年が施設から通勤できるようなアフターケアの実践をみて、帰国後の取り組みへの決意を新たにしていました。社会福祉事業に対する公的資金と人的資源がじゅうぶんに投入されているだけでなく、民間からの寄付によって多額の事業費が賄われているヨーロッパに対し、日本では社会福祉行政は本格始動したばかりだが、「経済活動に押しまくられ」、「国民も自分たちの生活が満足するような政治を求め、福祉を忘れていた」として自国の「福祉元年」との差を嘆きつつ、「日本も現在の社会経済情勢から政治を福祉重点に切り換えられる良い時期に来ているようにも見うけられるので、福祉国家への移行をこの際のぞみたい」との期待が記されていました。

また、報告書では、訪問国の福祉に関する事前の情報収集と、訪問先と研修団員の職務内容との連関が重要であることが指摘されていましたが、これらは、本財団の事務局が研修を推進するにあたって、今も大事にしていることがらです。

訪問国 訪問地 視察先
ギリシャ アテネ 1ヵ所
イタリア ローマ 国立乳児院など2ヵ所
スイス チューリッヒ ペスタロッチ子どもの村
フランス パリ トワイエ・セント・マリグリット(施設)、パリ市立託児所など4ヵ所
イギリス ロンドン バーナードホーム(施設)、ヘンリーインファントスクール(保育所)など5ヵ所
デンマーク コペンハーゲン 児童館など5ヵ所
スウェーデン ストックホルム ストックホルム市役所、エディスハィデン・ホーム(施設)など4ヵ所
ドイツ ハンブルク 1ヵ所

※視察先の名称がわかるもののみ記載。