INTERVIEWインタビュー

山村 皐月 様

社会福祉法人 三原市社会福祉協議会 勤務/第11回資生堂子ども財団奨学生(2021年3月卒業)

奨学金が自分の人生の選択肢を広げてくれました

――普段はどういうお仕事をされているのでしょうか。

現在は福祉関係の相談業務をしています。具体的には子どもさんの学習支援や、地域のお年寄りの生活改善をはじめ、さまざまな問題をどこに相談したら良いかわからない方を必要な機関へつなぐ仕事もしています。自分が高校3年生で進路を考える際、当時経済的なことも含めて困っていた時に、多くの方に支援していただいたことを思い出し、自分と同じような境遇で悩んでいる人たちの助けになるような仕事に携わりたいという気持ちで、今の道に進みました。

――その高校生のときの状況を簡単に教えていただけますでしょうか。

自分は進学校に在籍していたので、大学に行きたいという漠然とした思いがありました。しかし、同級生たちが進学先を決める中で、自分の家庭はあまり裕福ではなかったので、私立か公立かという選択肢もふくめて、経済的な事情で選択肢が狭まってしまい、本当に行きたいところを諦めるしかありませんでした。家庭の経済状況の問題であり両親の事情とも関わってくるので、自分ひとりで解決できるわけもなく、悲しいとか残念というよりは、仕方がないという諦めの気持ちの方が強かったですね。

――資生堂子ども財団からの奨学金を受けて希望の大学に進めたそうですが、どのようなお気持ちでしたか。

資生堂子ども財団からの奨学金を頂けることになって、金額的な面で進路の選択肢が広がったことで人生が明るくなった気がしました。最終的には、自分の望む大学に進学することができて、入学後の勉強に対するモチベーションも高く持ち続けられたと思います。やはり大学進学というのは、個人的には人生における大きなイベントだと捉えていますので、経済的な理由で将来の進路が制約されそうになる中で、資生堂子ども財団の奨学金を受けられたことで希望の道に進む事ができ、非常にありがたかったと感謝しています。

――経済的な理由で進学をあきらめかけている高校生に向けて、何かアドバイスをお願いします。

私の場合は運よく、助けてくださる方が周囲にいたので何とかなりました。しかし、やはりそうではない状況に置かれている方も多いと思います。また、自分もそういう面がありますが、周囲にSOSをなかなか出せずに、諦めてしまって自分から現状を受け入れてしまう人もいるでしょう。そんなときは、できるだけいろんな人を頼ったほうがいいし、私が現在働いているような相談ができる機関が各地にあります。どこかに絶対助けてくれる、一緒に伴走してくれる方がいるはずですので、自分の夢を諦めずに頼っていただけたらと思います。

――これからどんな社会になってほしいと考えていらっしゃいますか。

奨学金の種類には、私が頂いた給付型のほかに貸与型がありますが、貸与型の方が多いのが現状です。しかし利子が付く貸与型では、奨学金を借りたけれど就職後に返せない、あるいは奨学金を返済することで生活が圧迫され困っているというニュースを見聞きします。自分の理想としては、ゆくゆくはそういったことが無いように奨学金がすべて給付型になっていけばと思います。学生みんなが金銭的な心配をすることなく、自分の進路について自由に決められるような社会になってほしいですね。

6b288dbdf7ce9d04ac9fdb3e35c44d86-1666055256.jpg